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建築アスベストのマメ知識

●アスベスト(石綿)とは?
   石綿(アスベスト)とは、主にカナダ、南アフリカ、ロシアの鉱山から露天掘りで
  産出する繊維状の鉱物(無機物質)です。鉱物とは均質な化学組成をもった結晶状態
  で産出するもので、ダイアモンド、ルビー、水晶なども鉱物です。
  1)石綿は、繊維状けい酸塩鉱物で、
    層状ケイ酸塩 蛇紋岩系の クリソタイル (白石綿) 原産国:カナダ
    鎖状ケイ酸塩 角閃石系の クロシドライト(青石綿) 原産国:南アフリカ
    鎖状ケイ酸塩 角閃石系の アモサイト  (茶石綿) 原産国:南アフリカ
  2)石綿の特徴は、
    繊維が極めて細い(1/5,000)ので、飛散しやすい。
     クリソタイル(白石綿)の単繊維径 0.02~0.03 μm
       アスベストの繊維束径                      1~2 μm
       ガラス繊維束径                               10 μm   
       頭髪                                         80 μm
  3)なぜ有害なのか?
   ■化学的側面:
    ① 繊維状の結晶鉱物であるために、繊維径が極微細である。
    ② 無機質の結晶鉱物であるために、化学的に安定している。
      ●上記の特性により気体中にいつまでも漂う、浮遊(エアロゾル)状態となり、
       それが吸入性粉塵となる。
       ちなみにガラス繊維は、10μmで結晶状態では無いので溶け易い。
   ■医学的側面:(日経新聞2005年11月13日 12版 参考)
      国際がん研究機構は、1972年から900以上の様々な物質について、人への
     発ガン性評価を実施し、成果を出版している。73年刊行の二冊目で初めてアスベスト
     を取上げた。アスベスト鉱山労働者、アスベストを扱う労働者さらに鉱山周辺住民や労働者
     の家族に悪性中皮種や肺がんが発生する事例やリスクが記されている。
      暴露からガン発生までに30年の潜伏期間があることや、喫煙がそのリスクを
     増強することも紹介している。77年の再評価では消化管や喉頭のガンのリスクも
     ある可能性が追加された。
      欧米では、疫学研究が精力的に実施され、低濃度暴露でもアスベスト関連の疾病
     リスクがあることや喫煙との相互作用などがわかった。
      悪性中皮種は稀なガンで、アスベスト関連ガンと位置付けられる。米国では、比較的
     早期に対策がとられた結果、現在が悪性中皮種発生のピークを迎えているという。
     一方、日本のピークは20年先と推測されている。(現在一番問題となっている
     耐火被覆吹付け材が1985年頃まで使用されていた。)
      喫煙での中皮種リスクは変わらないようだが、肺がんリスクは相乗的に高まる。
     79年発表の米国のデータによればアスベストを扱う職業で喫煙者の場合、肺がんリスクは
     50倍とされている。尚、禁煙期間が長ければ肺がんリスクは低下する

     4)なぜ今まで使って来たのか?
       石綿の有用性  全部そろっている万能選手!
        ①断熱材、吸音材(1987年頃まで使用)  石綿の繊維形状
        ②屋根材、板形状の建材(2004年まで使用)鉱物であるための化学的安定性
          や耐アルカリ性、耐久性、セメントとの混ざりやすい(親和性)、抗張力(強度)
        ③耐火吹き付け材(5%含有は1980頃まで) 鉱物であるための耐熱性
          しかも、経済性と大量安定供給の両立が可能な物質です。 
     5)現在、石綿代替製品はあるの?
        性能を完ぺきに代替する製品はまだ無いようです。
        ① 断熱材は・・・        グラスウール
        ② 耐火被覆吹付け材は・・・ ロックウール、スラグウール
        ③ セメント建材は・・・     PP繊維、ビニロン繊維、ナイロン繊維、パルプ繊維
                          麻繊維、耐アルカリガラス繊維、

 ●アスベスト対策について
     1)アスベスト有無の判断は?
        見た目では判別することはできません。
        アスベスト建材は大きく分けて
     ① コンクリート柱、梁の廻りや鉄骨柱などの廻りに耐火被覆材として綿状に吹付け
       られているもの。(アスベスト粉の飛散可能性有り)
     ② 壁、天井ボードに含有。(アスベスト粉の飛散可能性低い)
       これらは外見上では、ほとんど判断し難いです。  
       ひとつの目安として1980年以降の建築物ではアスベスト吹付け材の使用可能性
       は低いと見て良いでしょう。不明の場合は建築図面の確認がお勧めです。
       不安ならば当時の設計事務所か建築会社にお問い合わせしてみて下さい。
         尚、最近(2004年頃)まで使用していたアスベスト含有の壁や天井のボード類は、
       そのままでもアスベスト粉の飛散はありません。唯一心配なのが、増改築、建替え
       などの解体・裁断等の作業で発生します。
       産業廃棄物としての処理もまったく別枠で取扱われます。
       ですから、建替える行為というのは高く付く時代なのですね。


     2)吹付けアスベスト処理方法について(大田区報 2006年1月11日・21日号より) 

処理方法(内容) 長 所 短 所

①除去
根本的にアスベストを完全に除去する

アスベストの危険性をゼロにできる

① 工期が長い
② アスベスト処理に関わるコストが高い
③ 再度、代替材料で吹き替える工事が必要

②封じ込め
 専用薬剤等をアスベストに含浸させて硬化、固着させる

除去方法よりコストが安い

① 完全に除去できない
② 薬剤の重量でアスベストが剥がれ落ちる可能性がある。
③囲い込み コンクリート等で密閉する 除去方法よりコストが安い

③囲い込み コンクリート等で密閉する 

除去方法よりコストが安い

履歴管理を徹底させないと次の建替え時に適切な工事が困難

 
  

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投稿者 地元の建物のお医者さん : 2006年01月15日 16:34

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