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住宅における事故に学ぶ
月刊PROOF 2003.-8 (財)住宅保証機構
篠塚 重夫氏 論文より抜粋
〔住宅事故の概論〕
近年まで住宅事故でトップの部位に位置してい
たサイデイングは、昭和40年代に外装仕上げ材
として市場参入し、その後、登録住宅の外装仕上
げでシェアーを急速に伸ばし、78%強を占めるま
でになった。しかし、品確法の導入に際し、シーリンク
゙部分等の防水性能が保証に耐えられるかについ
て問題となり、その間、工務店等の保証責任問題
の心配もあり、一時シェアーが低下した。
最近は、対応工法等の対策が採られ信頼が回
復してきたようだ。
<減少してきた事故例>
1.凍害による被害:
寒冷地において顕著に現れた
現象。内部結露や浸入した雨水が
サイデイング内部に溜まり、それ
が冬季間に凍結融解を繰り返す事
によってサイデイングが著しい劣化に
陥り、爆裂現象やひどい場合は指
で押すとボロボロと崩れてしまうと
いう状況もある。
これについては、水切り板と
サイデイングの間に隙間を設け空気層
と水抜きを施したことで解決でき
るようになった。
2.サイデイングのあばれ:
サイデイングは吸水すると反ったり
するので、雨ざらしにしない様
な養生方法を採る。
3.シーリング部分の防水:
サイデイグ同士のジョイントはシーリング
材に頼らざるをえない。しかし、
シーリング材はウレタンやシリコンなどゴム質
の物質で外的環境の中で経年劣化
による10年以上の耐用年数は難し
いとされている。
建築的な納まりや様々な改良に
より雨水の浸入を食い止めること
ができるようになった。
<増加してきた事故例>
1.吹き抜けと木造での大きな窓面:
デザイン重視の設計に多く見られ
るケースだが、木造住宅で南面に大き
な吹き抜け状態で窓があるような場
合、台風のような状況になると、強
い風が大きなガラス窓を揺らすことに
なり、しかもそれを支える柱が木造
であれば雨漏りも当然という構造と
言える。
2.木造のタイル貼りは無理がある:
これもデザイン重視の設計にある
ケースであるが、木造住宅に煉瓦
タイル仕上げの住宅は納まりを確実
に行わないと吸水性のある煉瓦タイ
ルから雨水が浸入し、裏地の耐水合
板の継ぎ目から漏水する恐れがある。
雨がかりになる部位には煉瓦タイルは
用いないようにするのが懸命であろ
う。
3.木造住宅における円形の屋根:
木造住宅では台風時など、家全体
がしなり揺れるようにできている。
これに追従する円形屋根を作ること
は現場的には大変困難である。
仮にできたとしても屋根を固定する
妻側の納まりに無理が生じる。
特にデザイン重視の設計で軒の出が
無い場合は、雨漏りの原因箇所を特
定しにくい困難さも伴う。
他に屋根の真ん中に谷ができ雨水
を集めるような複雑な形状屋根や屋
根面の排水勾配が取れない形状の設
計は避けるべきである。
4.トップライト:
トップライトとは屋根に開口部を
設けて明かりの摂取を図る仕組みで
ある。木造住宅の場合は根本的に雨
漏りのリスクを負う設計であることは
否めない。まして円形や複雑形状屋
根などはそのリスクが倍加する。
5.ソーラーシステム:
屋根に置く場合はトップライトの項
と基本的にはリスクは同じである。
特にソーラーメーカー側に屋根と雨仕
舞の専門技術が少ない。
6.寒冷地の内樋:
木造住宅で建物内に雨樋がある設計
の場合は、デザイン的にはすっきりす
るが、樋に溜まった雨水が凍結融解を
繰り返し、ジョイント部分を腐食させ、漏
水につながるケースがある。
<問題事故を放置すると・・・>
木造住宅の漏水は、白アリやカビ等
の発生につながり、アレルギーや喘息など
の居住者の健康被害へもつながってい
く。
<対策・・・基本に忠実に>
木造住宅は自然現象と共生するような
設計が基本である。
シンプルで経験に裏打ちされた設計を
採用するべきである。
屋根勾配、雨樋、窓設計や壁面積、軒の
出など木を腐らせないため=長持ちする木
造住宅を作っていきたいものである。
少なくても50年以上はもつはずである。
法隆寺は1,000年以上美しい姿を保って
いるのだから・・・。
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投稿者 地元の建物のお医者さん : 2006年03月21日 10:54
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