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住宅クレーム事例及び対策と最近の傾向
月刊PROOF2005.8月号 篠塚 重夫氏
(財)住宅保証機構 技術管理部長編より参考及び抜粋
1.保証事故は増大しているか?;
ここ数年の保証事故による支払い事例を見ると13年度62件、14年度109件、
15年度163件、16年度283件となっており、明らかに発生件数は増加しているが、
登録住宅の急増に伴うもので発生率そのものが急激に増大しているという訳ではない。
2.保証事故が減少した部位とその要因;
外装面ではモルタル塗りに代わってサイデイングが普及し、それと共に雨漏りも増大したが、
この対策として考案された通気工法は、外壁の性能を上げると同時に、雨漏りの減少にも効果
を上げた。但し、注意すべき点は、透湿防水紙の施工を丁寧に行うことと、風などの影響を受
けないように養生をきちんとする、通気胴縁の大きさや厚さをマニュアルに則り確実に確保すること、
特に接合部については、止め釘部に応力が集中するため、接合部から20mm以上離して釘
を打つ必要がある。90mm×15mm以上の胴縁を使用すること。また、サッシュ廻りについては
防水テープを下から横、横から上へとに施工するなどである。
3.事故が増えた部分とその要因;
①バルコニーの問題:
●サッシュ下端からの雨水の浸入のケース
防水納まりとしてサッシュの取付前に施工するのが望ましいが、大工さんはそんな面倒な
段取りをしたがらない。サッシュが付いた後に防水工が入るが、最近のバリアフリー化の傾向
からかサッシュ下の高さが確保されていないために、防水工の手が入りにくい状況になる。
そんな施工で雨漏りが発生すると、大工さんは防水工のせいにし、防水工は設計と納まり
が悪いと言う。ほんのちょっとの気遣いなのだが・・・。
対策としては、サッシュを取り付ける前に防水工事を行うこと。そして、サッシュ下の高さは
120mm以上確保すること。
●手摺の取付方法と納まりの問題
デザインや風通しを配慮し、立上り壁の高さを抑えて、その上に手摺をつけるケースが
あるが、手摺の取付方法によっては構造体、防水層まで影響を受けることがある。まして布団
干しなどで加重がかかるため、手摺固定部分からの雨漏り事例が多い。
対策としては、手摺はなるべく避けるか、防水機能や構造面を考慮した取付方法を採ることで
ある。また、面積も20㎡以内としたい。
②陸屋根の増大:
最近の傾向で増大している陸屋根であるが、a.敷地が狭い。b.木造3階建が多くなってきた。
c.材料、施工制度が良くなってきた。d.金物の導入で建物の剛性が高くなった。
という理由だが、陸屋根は防水工事の施工に全てを依存することになるため大変重要な
部位になっている。
③カビの問題:
高断熱住宅とうたった木造住宅においては、雨漏りや結露が思いがけない被害に繋がる
ことがある。気密性を高めた住宅では、これまで問題にならなかったほんのわずかな隙間
部分に結露等が発生する。そして、雨漏りや結露による壁体内に溜まった水分が、ものす
ごい速さで(1~2年のケースもある。)黒カビの増殖を招き、気づいた時には柱や土台や
構造用合板などが腐ってボロボロになっているなどの被害につながる。そして、このカビが
シックハウスの原因物質のひとつでもあるのだ。カビの成長・繁殖をもたらす元は「栄養源」・
「温度」・「湿度」である。カビの繁殖する環境を抱えている現代の住宅。この問題が一気に
加速された背景には、最近急速に普及した住宅の気密・断熱化と密接な関係にあるのでは
ないか?
④窓枠廻り:
雨漏り関係での事故で特に問題になるのが窓枠廻りからの雨水の浸入である。この場合の
事故の特徴は、雨漏りを起こす箇所が1箇所ではない事例が多いことである。原因は、前述
のルーフバルコニー事例にもあるとおりだが、さらに追加するとすれば防水紙とサッシュ廻り
の施工が雑または間違っているものと思われるが、注意をして施工すれば簡単に防ぐことが
出来る。修補には多額の費用がかかるので業界あげて注意を促したいものである。
それだけに工事監理面においては、最も注意すべき部分ではある。
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投稿者 地元の建物のお医者さん : 2006年03月31日 22:35
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